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こそだテック〜プロマネ的子育て

外資金融でプロマネをしながら、2人の子ども(ともに保育園児)を育て、フルタイムで仕事してます。経験したプロジェクトは数名規模から100人超まで業務改善からシステム構築、法令対応など。。ITを使った子育てに興味あり。

ステークホルダーって何?

前回はプロジェクトの三大要素を取り入れた家庭内プロマネについて話しましたが、今回はプロジェクトをやる上で忘れてはいけない、ステークホルダーについてお話しましょう。

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ステークホルダーという言葉を聞いたことない、という方も一定数いるのではと思います。

 

ステークというのは英語でStakeのことで、掛け金という意味があります。ホルダーはHolder,つまり持っている人。掛け金を持っている人、これがプロジェクトに関心や懸念等を持っている転じて人やチーム、組織など、を指す言葉になっています。

日本語に訳すと一般的には、利害関係者という人々になります。この利害関係者をプロジェクトの開始から終了まできっちり巻き込むのがプロジェクトマネジメントにおいては、とても重要になります。

 

 英語の詳しい説明はこちらをご参考に↓

A person, group or organization that has interest or concern in an organization.

www.businessdictionary.com

ejje.weblio.jp

 

利害、が絡む人達というのがミソで、利益がある人だけではなく、不利益を受ける人々も範疇に入ります。利益がある人はプロマネ的にはわかりやすく、かつ相手方からも歓迎されやすいので通常は意識しなくても巻き込む事が容易ですが、不利益を受ける可能性のある人々は、漏れる事が多いので注意が必要です。

 

最終的にプロジェクトの完了時にステークホルダーを満足させる事がプロジェクトの成功であると言われており、ステークホルダーが満足できなければ、そのプロジェクトはコストやタイム、スコープの三大要素が全て想定通りだったとしても成功とは言えないくらい重要です。

 

それでは、前回の旅行計画の事例におけるステークホルダーについて考えてみましょう。

 

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まず、利益のある人々としては、旅行の当時者である夫、子ども達ですね。利益のある組織やチームなどを思い浮かべると、旅行会社も旅行代金を支払うため利益を受ける人に入るかもしれません。

 

では、不利益を被る可能性のある人々は誰でしょうか?不利益というと分かりにくいかもしれませんので、都合の悪い人、喜ばない人、と言い換えてみましょう。

http://itbt.biz/G9M/wp-content/uploads/2014/07/2014071002.png

そうすると、旅行計画の場合、例えばパパママの会社の同僚はパパママが休む事によりバックアップをしないといけない、あるいは同じ時期に休もうとしている人がいればその人が休めなくなるかもしれない可能性があるのでステークホルダーにあたりますね。

 

また、パパの実家に毎年夏は帰省していて、祖父祖母が孫の顔を見るのを楽しみにしているので、孫が今年の夏は来ないかもしれない、となるとがっかりし、何か既に企画を考えていたりすると都合の悪い事になるので、パパの実家の人々もステークホルダーと呼べます。

 

旅行中はママの実家に留守中の家の雑用を頼もうと何となく思っていたら、ママの実家も雑用を頼まれる事で自分達の用事が出来なくなる可能性がありますので不利益を被る可能性のあるステークホルダーとなります。 

 

ステークホルダーにはこのようにプロジェクトの完了で喜ぶ人もいれば手放しで喜べない人もいて、大概両方いるのが普通です。

 

ステークホルダーをこのように特定したあとは、ステークホルダーマネジメントを行います。カタカナが出てきてちょっと分かりにくくなってきましたかね…?

 

ステークホルダーマネジメントは日本語で分かりやすくいうと家庭の場合多少の語弊はあるものの、利害関係のある人達の戦略的ご機嫌とり、と言えます。

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自分の達成したい目標=旅行を成し遂げるために、賛成派も反対派もどちらにもある程度満足し理解してもらうための方法論です。

こう言うと、小賢しい感じがしてしまいますが、対立していがみ合ったり、誰かがすごい不利益を不本意に受けたり、ものすごく不幸な人が全体で発生するより、プロマネスキルを使って計画的に、どの利害関係者も程度問題はあれそれなりに満足してもらえるというのが平和な解決で私は好きです。

 

ステークホルダーマネジメントは継続的に行うものになり、プロジェクト立ち上げ時に属性と賛成派なのか、反対派なのか、どのように扱うのかを決めます。

 

グローバル標準でよく使われる概念としてRACI(レイシー)というステークホルダーマネジメントのツールがあるので、それを使ってKay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーマネジメントを行ってみましょう。

 

http://itsmtransition.com/wp-content/uploads/2014/07/Basic-RACI-Roles.jpg

 

RはResponsible(実行に責任がある人)実務作業に責任がある人のことで、これは普通はプロジェクトメンバーです。複数のチームからなるプロジェクトチームであれば、それぞれのチームリーダーに相当するような人がResponsibleといえます。

 

AはAccountable(説明責任がある人)通常、説明責任を果たせる=Accountbleな人は1人にすべきと言われており、最終説明責任者です。複数の部署や会社にまたがるプロジェクトの場合はAccountableな人も複数名出てくる可能性もあります。

 

CはConsulted(相談や意見を求めるべき人)特定領域で専門家に意見を求める人をさし、例えば営業部のプロジェクトで、法務部などに何か法律面でのアドバイスを求めるようなシナリオです。

完全にプロジェクトチームメンバーだけの閉じた世界で完結すれば良いですが、大きいプロジェクトになればなるほど専門家の意見を聞くケースが増えます。場合によっては社外の専門家に聞くような可能性もあります。

 

IはInformed (情報共有をすべき人)を意味します。相談したり、実行したりはしないけど、何かあった時に報告、情報共有はしておかないといけない人達です。

 

Kay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーは誰でしょうか?

家族は全員影響をうけるので、全員が対象です。

 

そして、パパママの会社の同僚、パパの実家、ママの実家の人々、子ども達の習い事も旅行中はお休みするため習い事の先生、そして旅行中は保育園もお休みですので保育園の先生方も対象に入りますね。

旅行のお土産を渡そうと思っている人が上記のステークホルダー以外にいるとしたら、その人も入れておくといいと思います。ここではパパの友達でハワイに旅行に行ったという△△にパパがお土産を渡すという想定にし、△△も入れましょう。

 

では、RACIに当てはめてみましょう。

パパとママが主な実行責任者ですので、Rはパパとママ、子どもも手伝えることがあれば戦力になるかもしれませんが、潜在能力は未知数ということで、?としておきました。

パパは最終説明責任者ということでA、その他事前に調整しないといけない人たちはC、今回の場合はほぼC=Iとなりました。

実務上もわりと同じで、ある時点では色々と相談しますが、プロジェクトの開始から、完了までを見るとある一時期を除いては、ただ情報共有をするだけの関係になることも多いです。

 

そして保育園やパパ友などは旅行後に、旅行土産を渡すだけですので、まさにIの関係です。

 

  パパ ママ 子ども パパ実家 ママ実家 パパ同僚 ママ 同僚 保育園 パパ友△△
R(Responsible)  X  ?            
A(Accountable)  X                
C(Consulted)        X  X  X    
I(Informed)        X X  X  X  X  X

 

 このように分けると、たんなる旅行計画も意外と色んな人に連絡したり、相談したりしないといけないことがわかってきました。

では次回はRACIにもとづいて、これらステークホルダーの巻き込み方を考えてみましょう。