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RACI って何?

ステークホルダーの話を前回しましたが、今回は誰をどのくらいご機嫌をとるのかを戦略的に考えるツール(小賢しいですが、家庭では頭の中で何となく考えることをフレームワークといって誰もが使えるツールにして標準化して行います)をご紹介します。

 

グローバル標準でよく使われる概念としてRACI(レイシー)というステークホルダーマネジメントのツールがあるので、これを使って例えば、Kay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーマネジメントを行ってみましょう。

 

http://itsmtransition.com/wp-content/uploads/2014/07/Basic-RACI-Roles.jpg

 

RはResponsible(実行に責任がある人)実務作業に責任がある人のことで、これは普通はプロジェクトメンバーです。複数のチームからなるプロジェクトチームであれば、それぞれのチームリーダーに相当するような人がResponsibleといえます。

 

AはAccountable(説明責任がある人)通常、説明責任を果たせる=Accountbleな人は1人にすべきと言われており、最終説明責任者です。複数の部署や会社にまたがるプロジェクトの場合はAccountableな人も複数名出てくる可能性もあります。

 

CはConsulted(相談や意見を求めるべき人)特定領域で専門家に意見を求める人をさし、例えば営業部のプロジェクトで、法務部などに何か法律面でのアドバイスを求めるようなシナリオです。

完全にプロジェクトチームメンバーだけの閉じた世界で完結すれば良いですが、大きいプロジェクトになればなるほど専門家の意見を聞くケースが増えます。場合によっては社外の専門家に聞くような可能性もあります。

 

IはInformed (情報共有をすべき人)を意味します。相談したり、実行したりはしないけど、何かあった時に報告、情報共有はしておかないといけない人達です。

 

Kay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーは誰でしょうか?

家族は全員影響をうけるので、全員が対象です。

 

そして、パパママの会社の同僚、パパの実家、ママの実家の人々、子ども達の習い事も旅行中はお休みするため習い事の先生、そして旅行中は保育園もお休みですので保育園の先生方も対象に入りますね。

旅行のお土産を渡そうと思っている人が上記のステークホルダー以外にいるとしたら、その人も入れておくといいと思います。ここではパパの友達でハワイに旅行に行ったという△△にパパがお土産を渡すという想定にし、△△も入れましょう。

 

では、RACIに当てはめてみましょう。

パパとママが主な実行責任者ですので、Rはパパとママ、子どもも手伝えることがあれば戦力になるかもしれませんが、潜在能力は未知数ということで、?としておきました。

パパは最終説明責任者ということでA、その他事前に調整しないといけない人たちはC、今回の場合はほぼC=Iとなりました。

実務上もわりと同じで、ある時点では色々と相談しますが、プロジェクトの開始から、完了までを見るとある一時期を除いては、ただ情報共有をするだけの関係になることも多いです。

 

そして保育園やパパ友などは旅行後に、旅行土産を渡すだけですので、まさにIの関係です。

 

  パパ ママ 子ども パパ実家 ママ実家 パパ同僚 ママ 同僚 保育園 パパ友△△
R(Responsible)  X  ?            
A(Accountable)  X                
C(Consulted)        X  X  X    
I(Informed)        X X  X  X  X  X

 

 このように分けると、たんなる旅行計画も意外と色んな人に連絡したり、相談したりしないといけないことがわかってきました。

 

では次回はRACIにもとづいて、これらステークホルダーの巻き込み方を考えてみましょう。