ステコミって何?
先日ワーキンググループという話がありましたので、続いてステコミについてお話しましょう。
ステコミというのはステアリング・コミッティーの略で、英語ではSteering Commiteeと書きます。Steerというのは、舵を切るという意味で、強い力をもってぐいぐい方向を定めていく印象のある言葉です。Steerできる人が集まるCommitee、日本語でいうと、、適切な言葉がないようで日本企業と話をする時も「ステコミ」と呼んでます。
基本的にはかなり上層部の人を中心とした会議で、例えばある企業の営業システムの入れ替えプロジェクトであれば、営業部の部長、役員クラスと関係部署の部長、役員クラスが出て来るはずです。
ステコミの重要な役割は、企業のマネジメントまで話を通さないといけないことをEsclationすること、日本語で言うと上にあげる、ってことですね。そして、もう一つ決断をすることです。
適切な日本語表現がないのがちょっとおもしろいなと思うのですが、ステコミの重要なポイントは各ビジネスラインから決断できる人が集まらないといけないということで、私がいる外資系は決断できる人というのがかなり明確で、むしろ決断できないのに上層部にいる人は居ないのが普通です。
ところが、日系企業だとそうでもなく、以前私も日経企業と仕事をしたことがあるのですが、まずびっくりしたのが、会議に出てくる人数の多さ。
会議ではこちらは3人なのに、日系企業は10人以上も来て、しかもその場では何も決まらない、というような事がよくありました。
よく言われるように日系企業は外資に比べると決定権がどこにあるのか見えにくく、その結果ステコミに相当する会議を形成しにくいのではと思います。
アリババでも、私のちょうど考えているような事が書いてありました。
そうなんですよね~。。この意思決定スピードは、意思決定できる人がはっきりしてるからできるんだと思います。
日系企業が何人も会議に出てくるのに、決断がすぐできないというのは、和を大事にするということ以上に、決定権を持っている人が不明確というのが原因なのではと思います。このあたりは以前紹介したステークホルダーのところでRACIリストの話でも言いましたが、Resopnsibleな人はいるけど、Accountableな人が複数発生してしまっているか、居ない状態なのではと感じます。
そんなときは、RACIを使って、日系企業でも決断をする人(Accountable)な人をはっきりさせ、その人に決断を促す、相談は必要だけど、最後は決断を一人でしてもらうのも一つの手です。
こういうと、外資のステコミってすごそうなイメージですか?
ハイ。実際、かなり壮絶なんです。。事前準備が大変で、上層部が出てくるので下手なこと言えないし、分析が足りてないとすごい突っ込みを受けますし、準備不足だと公開処刑状態になることもあります。会議が終わった後は、いつもゲッソリ。。
日本企業のように根回しがそこまでないですし、予定調和は基本的にないので、かなり緊張します・・
1時間からせいぜい1時間半でおよそ決断に必要な情報やリスク、問題点などを伝えてその場か、遅くても数週間で決断にいたるようにアクションアイテムに落とし込みます。
外資系での根回しは少ないとはいえ、Esclationの場でもあるので、自分のレポートライン上のはるか上の上司に事前の情報共有せねばならず、事前からかなり厳しい指摘が入るので、ステコミの前1〜2週間はピリピリモードです。
とはいえ、ステコミは内部のミーティングがメインなので、そこまで時間を割きすぎるのもどうかと思うのですが、同時に役員クラスの人がひと目で分かるような資料を用意しうようとすると時間がいかんせんかかり、ステコミ前は根回し、ワーキンググループでの合意形成など同時並行で行うことが増え、負担感半端ないです。
頻度は(個人的には)月一くらいが適当で、重要な局面では2週間毎などにすることもありますが、やはり前述の通り準備もそれ相当の時間を要するので、結構ステコミの準備だけで多くの時間をさくことになりがちで、肝心のプロジェクトに関するタスクが滞るリスクがあります。
また、外資特有かもしれませんが、複数の拠点から上層部の人が参加するため、ビデオカンファレンスをする場合もありますが、多くの場合は電話会議です。
外資金融では一般的ですが、こういう電話会議用のツールを使い、会議室から参加したり、自分専用のオフィスを持っている役員は自分のオフィスから入ったりします。
実は、来週はステコミが控えているので、今から胃が痛いですが、頑張ります(汗)