野沢温泉にみるスキー場の国際化成功の秘訣
年末年始は野沢温泉で過ごしました。
子供ができてから今回で2回目のスキー旅行になりました。
前回は三年前でしたが、今回も多くの外国人が訪れており更に国際化が進んだなあという印象を受けました。
年間10万人近い外国人客が野沢温泉に来ているとのこと。
このスキー場は夫が幼少期から何度も訪れている場所で、この20年の国際化に夫も驚いていました。
野沢温泉はロケーション的には決して便利という場所ではなく、長野駅から更に先の飯山駅(在来線で60分)で降り、そこからさらにバスで30分の距離の場所にあります。
20年前は日本人しかいない、ちょっとさびれたスキー場だったのが、ここ十年で本当に変わったという事です。
長野県にある名だたるスキー場にに比べるとロケーション的には不利な野沢温泉が、なぜこれほど外国人人気を博しているのでしょうか。
実際に行ってみた感想からその秘訣を個人的に分析してみたいと思います。
まず、
①大きなホテルが少ないため、旅館&その周辺の飲み屋、食べ物屋で1つの街を形成しており、好きなものを選んで食べたい、カスタマイズして遊びたい外国人に受けた。
野沢温泉に来る外国人の特徴で顕著なのが、素泊まりの客が多いということです。
特に欧米の人に多いとのことですが、彼らは宿のご飯を食べず、外で食べに行くのを楽しみます。確かに、そうですよね。私たち日本人も、外国に観光に行ったら地元の美味しい料理を食べたいと思うものです。でも今まで日本ではスキー場にきたらスキーホテルの朝食夕食を食べるという、パッケージ商品が多くありました。中にはホテルの中でスキーレンタル、スキースクールも予約できホテルを出るとゲレンデがあり、1つのホテルすべて完結するというものもありました。
20年前であればこういう大型のホテルのほうが人気を博していましたが外国人観光客の目から見れば、わざわざ日本まで来てお決まりのホテルビュッフェなど食べたくない思うでしょう。
そういった外国人客のニーズを野沢温泉は掴んだんだと思います。
メインのスキーに関しても滑るゲレンデ数が36コースもあり、レンタル屋さん1つとってもいくつもあり、カスタマイズがとことんできます。
これは大型のホテルで完結できるという旧来型のスキー場の真逆を行くもので、この選択肢が多いというのが外国人からみた魅力なのでは?と感じました。
日本のおもてなしって、結構ガチガチにパッケージ化されている気がしており、
例えば同僚の外国人とランチに行くと、彼らは良くレストランでセットメニューを注文してそのセットの内容を一部変更するオーダーをするのですが、(例えばコーヒーをカプチーノに変更するとか、)、かなりの確率で日本のレストランは断るところが多いのです。もちろん追加料金等がかかれば払うという前提です。
欧米では全てカスタマイズする、自分で選ぶというのが受けます。
サブウェイのような、一から全てカスタマイズ可能な商品が受けるのです。自分の意見を大事にする欧米では、自分で決められるというのが重要なポイントなのではと思います。
②旅館中心のレトロな和の街並みが外国人に受けた。
温泉街の風情がスキーと一緒に味わえるのが、二度美味しい感満載です。
野沢温泉村はホテルが少なく、旅館、民宿が多い場所で、特にこの写真の辺り、麻釜は素敵です。どこから写真をとっても素敵に映る!
温泉の源泉で、なかなか海外では見られない光景です。
外国人には、1月に行われる道祖神祭りが特に人気のようで、スキーと温泉街、そして火のお祭りを狙って多くの観光客が海外から訪れとのことで、なんとこのお祭りの観光客は6割が外国人!
野沢温泉の道祖神祭り : 北信州野沢温泉 観光協会オフィシャルウェブサイト
これってCreazy Japan! って感じですよね。インスタばえもばっちりです。
③国際化を街全体で率先している
そして、最後に住民が率先して国際化を進めている点も良いと思いました。
バスの運転手さんなど地元の人が、英語でアナウンスを普通にしています。
バスの様子↓ ぱっと見るだけでも、外国人が半分以上!
英語の自動アナウンスではなく、日本人英語ですがアナウンスを日本語、英語両方で行っています。英語のパンフレットや英語での但し書きなどいたるところにあります。
宿自体が外国人をメイン顧客にシフトしている宿も多々あり、パッとみるだけでも、
Nozawa Dream
Fujiyoshi
Lodge Nagano
などなど、多々あり、
私達が泊まった旅館も3年前はなかったのですが、今年は素泊まりプランができており、WIFIi対応をしておりました。
また、3年の間にこれだけの改善がありました。
- 猿の見学ツアー(Snow Monkey Tour )。
前もあったのかもしれませんが、今回は大々的に至るところで売り出しており、バスの中でも広告が貼ってありました。
これも、かなりインスタばえしますよね。
- 託児所
これも、子連れには嬉しいサービスです。
3年前に来たときは、あればいいのになーと思ったのですが、しっかり作って頂いてました。外国人使用比率がめちゃくちゃ高かったですが、私達も使わせて頂きました。
- 外国人専用のスキー案内と外国人の子供向けのスキーレッスン
外国人用のスキー案内があり、ネイティブの外国人が受付てくれます。また、外国人による外国人子女のスキーレッスンもできていました。
- Zip SkyeRider
日本語版のサイト見ても、外国人を念頭に置いてるのよくわかるほどの完璧な英語併記。
などなど、かなり地元一体となってがんばっているのです。
こういった自助努力と、20年前ならデメリットとなっていた日本風情を生かした観光戦略が受けて、今の外国人に対する野沢温泉人気が高まっているのだと感じました。