外資あるある話③ 解雇はある日突然に
外資特有のあるある話第3弾です。
今回は一番日系と違う点を深掘りします。
- 突然クビになる
これは、日系だとほとんどないと思うのですが、外資ではよくあって、色んな話を色んな会社にいる同業他社の人からも聞きますが、基本的に解雇(レイオフ)はある日突然に起きるイメージです。
本当に突然で、通達等も無いことが多いです。
事前に解雇されることを聞かされている人もいますが、そういうケースは少数派で、残りは秘密裏にターゲットが決まり、ある日突然行われます。(会社によって事前に解雇を知らせる割合が高い会社もありますが、外資ではラブストリーは突然にならぬ、解雇はある日突然に!です。古いか...)
リーマン・ショック後、どの外資系も数千人から数万人の人減らしをしましたが、それらも毎月突発的に誰かが解雇される、というような感じで計画的に事前に知っているあるいは希望退職を募ったということはほとんど聞いたことがありませんでした。
だからリーマンの後は毎月のようにあちこちで突然誰かがいなくなり、次は自分か?と思いヒヤヒヤしてました。
例えば、、
- ある人がランチをデスクで食べている時に上司に呼ばれて部屋の外に出ていったきり帰ってこなくて食べかけのお弁当が置かれたままになる
- ある人が朝上司に呼ばれて部屋の外に行ったっきり帰ってこなくて数時間後噂で解雇されたことを知る
- 同僚が突如クビを切られて、ダンボールに居なくなった同僚の私物を詰めた
などです。
日系だと事前に希望退職をつのって、それでも枠が埋まらなかったら解雇に踏み切りますが、外資だと希望退職を募ってというのはほとんど聞いたことがありません。
なぜ希望退職を募らないかといえば、外資では人の流動性が元々高く、嫌ならやめることも多いため、希望退職を募ると、優秀な人からやめてしまうから、だそうです。
マネジメント層が切りたいのは、不要な人材なので、そういった人材には容赦なくやめてもらうということらしいです。
外資が治外法権というわけではないので、日本の労働法にもとづいて解雇は行われており、日系企業で同じことが起きたら大問題になりそうですが、メンタリティの違いなのでしょう、外資では解雇された人はいわゆる上乗せの退職金をもらい、あっさりと次の転職先を見つけて次に行っちゃう人が多く、あまり問題にはなっていないように思います。
これを、残酷!外資ありえない!という人もいるかもしれませんが、外資に居る側からすると日系の「追い出し部屋・追い出し会社」の方も相当にありえないなと感じます。
確かに突然解雇されるのは家計には大ピンチですが、外資に居るのでそんなこともあろうかと定期的にヘッドハンターとは会っており、(私が例外ではなく大体みんなそんな感じです。上司や同僚もヘッドハンターにあったとか時々話しており皆自分の市場価値やジョブマーケットについて自ら動いて情報収集してます)、青天の霹靂ということはあまりなく、「ついに来たか」という感じで受け止めるはずです。
有名ブロガーのちきりんさんも解雇と死は似てる、というテーマでおっしゃっていますが、外資系の人にとっては解雇って死と近くって、いつかは人間は死ぬので、いつかが来ただけ、なんです。
d.hatena.ne.jp
社員が定年退職まで「死なない」日系の会社では解雇はご法度なので、自ら退職してもらうように追い出し部屋などが出てきてしまいますが、どちらが本人にとって良いのかは一概には言えないと思います。
会社にとって居る価値がないと会社が判断したのに、成長する機会も与えず長く拘束するのは、その年月分、他でのキャリアップが阻まれてしまうのと同じなので、トータルで会社にとっても悪いし当人にとっても悪いだけと思います。
会社に固執しすぎると個人はら本来すべきスキルアップを怠ってただそこに居ることに意味がある、みたいな事になってしまっていないでしょうか。
ニュースパックスで報道されていましたが、日本の会社員は世界一勉強しないそうです。
こういうのも、解雇されない=死なない社会の弊害ではないでしょうか。
外資のような解雇が突然起きるのには正直辟易しますが、かといって、自分が能力を発揮できず成長もできない環境に給料のためだけに居座る人が出てしまう環境というのも、どこかおかしいと感じます。