PMP 取得奮闘記(1)勉強編
前回のPMP自体の話に続き、PMP取得までの道のりを今回はお話します。
そもそも何で取ろうと思ったのかという話からですが、私は外資金融でプロマネ経験が10年以上ありますが、ここ2−3年ほど前から仕事で転職者の面接をするようになり、この資格を持っている人を知り、資格に興味を持つことになりました。
実際に採用した人のうちひとりに至っては、"前の会社ではPMPがプロジェクトチームでの必須資格になっていて、なぜうちの会社はないんだ?"と聞いていて、「そうか。。グローバルで認められている資格なんだなー」と薄々感じるようになっていました。
また、プロマネのイロハは基本的にコンサル時代に学んだだけで、お作法を体系的に勉強したことがなく、自分の仕事の棚卸をし知識や理解を深めるということも同時にできそうだったのでやってみようとゆるーく思いました。(思ったのは2年位前。一人目を産んで復帰した後のことでした。)
ただ実際は、勉強が大変そうだし、子どもも小さい中勉強するのってどうなの?
って言う思いと、受験料も高額なので敬遠してました。
でも、2人目の子どもを出産し産休に入り、昨年に復帰が決定したことで、復帰したらまた時間がなくなることが容易に想像できたので、今しかないと思い育児休暇中にPMP取得を決めました。
いつでも忙しく、将来の方がより忙しいのが明白だったので、この二人目産休中が今の自分が挑戦できるベストタイミングだろう、と思ったのです。
思い立ってから、3ヶ月。
毎日早朝に1、2時間平均で、ほぼ毎日勉強を続けました。勉強は予備校もあったのですが、通う余裕がないので、E-learning形式でできる業者を探しWeb受講しました。
やろうと思えば、できるもんです。
子どもが起きる前の朝4時、5時に一人静かに勉強してました。
今までWeb受講で試験に挑んだことはなかったので、続けられるのか(リアルな講義に比べるとモチベーションの維持が難しいのではという懸念がありました)不安でしたが、意外とメールによるサポートもあり、自分の時間で勉強できるのが逆に良くて、モチベーションも下がることなく続けられました。
早朝の勉強時間でも夜泣き(朝泣き?)して子どもたちが起きてきたり、オムツを替えたり、授乳したり、家事をしたりしながら小刻みに受講できたりできたのは、助かりました。
勉強中は、背水の陣の思いで、仕事復帰後は忙しくなるので勉強は不可能だろうから、「今しかない、落ちたら子どもたちが手がかからなくなる10年後くらいまでチャンスはないだろう、再受験する気力もないのでこれが最初で最期」という危機感が常にありました。
また子どもが起きている間は試験勉強はしないようにし、家庭に影響が出ないように心がけました。(ただし、ピリピリ感はヒシヒシと夫に伝わっており、夫が早く終わらないのかとぼやいていました。)
Web受講で説明をしている先生の動画を毎日みてたのですが、その度、いつも
「まさかこの先生は、生徒が授乳しながら動画見てるとは思いもしないだろうな」
と失笑してたもんです。
そんなこんなで勉強を3ヶ月みっちり続けたのでした。次回に続く…
仕事の振り方について
最近、仕事がめっちゃ忙しいにもかかわらず、下の子が保育園を転園し、また一から慣らし保育が始まり、かつ家族も忙しくサポートが得られない日々になっていて、仕事にフォーカスできない日々が続いています。
時間が限られている中、自分にできることも限度があり、ここ最近はひたすら上司、その上の上司、そのまた上の上司にEscalationを続け、Help Me, Assist Me,を言い続けています。
でも、難しいのが、皆忙しく包括的に仕事を受け取ってくれる人が少ない、そしてそもそも真の意味で助けになってくれる人が少ない。。
この前は、ある業務のデータ訂正を求められて、時間が取れないので(その日はリアルに慣らし保育2日目で1時間しか仕事できませんでした)助けてくれないかというメールを書いて、とある人に送ったところ、
「この作業は数分でできるので、このメールを書いている時間にできる、Escalationする前に自分で解決しろ」、という趣旨のメールが来てしまいました。
確かに結論としては数分でできるのかもしれませんが、何をどう訂正するのかのガイダンスを読んで、あるべき姿と実際を比較し、データを訂正するという作業になるので、実際は20−30分かかります。で、その日はそういう時間をとるのも難しかったわけですが、期限も迫っていて、他の人にこのタスクをふるか、自分がやっている他のタスクのプライオリティを下げるか、のどちらかしかない状況でした。
このメールを出してきた本人により細かく説明して助けを求めるべきか、どうしようかと悶々としていたところ、結局、上司が"I'll take care of this."の一文をかいたメールをくれて、この一言に救われました。
この一言が出るかどうかがすごく重要なんだろうな、とこの一件で感じました。
助けを求めている人を拒絶するというのは別の話としても、「何をどうすればいいの?」という受け身の姿勢で助けてもらうと、もちろん助けてもらわないよりもずっとマシですが、結局こっちの準備や説明が多くなり、効率が下がります。包括的に、任せて!と言ってもらえると、こんなに助かることはありません。説明等は関係メールを転送等すれば良いわけですし、任せて!という人は主体的に動いてくれるので、放っておいても質問してくれるので、こちらは質問に答えるだけで済み受け身な人に仕事を投げるより十倍精神的負荷が少ないです。
こう言ってくれた人は会社でもかなり出世していて、このまま役員にあがるのではという感じの人なのですが、出世するのが難しい昨今において、ここまで飛躍できているのはこういう一言が出るかどうか、なんだろうなと思いました。
私の仕事を巻き取ってくれる人が少ないというのは、まあ、自分の仕事のやり方がTransparentではない、つまり、透明性に欠ける、ということも原因なんだろうな、と今回の一件で反省。忙しいので自分が今何をしているのかを他の人と共有する余裕がなかったので、他の人が入るのが難しい状況になっているんだと思います。
あと、普段からの濃い人間関係の欠如もあるんだろうなーー。
もう少し人間関係を潤滑にしておかないと、無理を言える相手が少ない事に気が付きました。子ども生む前なら、結構社内に個人的なネットワークがあったのでちょっとした無理が言えましたが、復帰後は仕事と家庭の両立でいつも精一杯、同僚とランチに行くのも月に1、2回になり、社内ネットワークからは完全に外れてしまい、これではいざという時頼りにできる人が少ないよなーと反省しました。
ちょっと今のバタバタが落ち着いたら、どうやったら仕事が人に上手にふれるのか、その巻き取ってくれた上司に相談してみようと思います。
主体的な人でありたい、他人に文句言う前に、自分が動く人であれ
と強く思った出来事でした。
ステークホルダーマネジメントって何?
ステークホルダーについては以前
ステークホルダーって何? - こそだテック〜プロマネ的子育ての回でも話しましたが、
プロジェクトをするにあたりとても大切な利害関係者のことです。
ステークホルダーマネジメントは日本語で分かりやすくいうと家庭の場合多少の語弊はあるものの、利害関係のある人達の戦略的ご機嫌とり、と言えます。
自分の達成したい目標=旅行を成し遂げるために、賛成派も反対派もどちらにもある程度満足し理解してもらうための方法論です。
こう言うと、小賢しい感じがしてしまいますが、対立していがみ合ったり、誰かがすごい不利益を不本意に受けたり、ものすごく不幸な人が全体で発生するより、プロマネスキルを使って計画的に、どの利害関係者も程度問題はあれそれなりに満足してもらえるというのが平和な解決で私は好きです。
ステークホルダーマネジメントは継続的に行うものになり、プロジェクト立ち上げ時に属性と賛成派なのか、反対派なのか、どのように扱うのかを決めます。
ステークホルダー達を満足させられるかどうかにプロジェクトの成功がかかっており、家庭においては馴れ合いがビジネスよりもずっとおきやすく、「言わなくてもわかるだろう」「察してよ」的な事が起きやすいのですが、まずはパートナーときっちり情報連携をし、目線を合わせるのが一番大切です。
あーー、そういえばバアバにこれ言うの忘れてた!といった事、家庭でのプロマネなら良くありますよね。そういうことを未然にふせげるのがステークホルダーマネジメントです。そう思うと、転ばぬ先の杖、とも言えるツールなのです。
RACI って何?
ステークホルダーの話を前回しましたが、今回は誰をどのくらいご機嫌をとるのかを戦略的に考えるツール(小賢しいですが、家庭では頭の中で何となく考えることをフレームワークといって誰もが使えるツールにして標準化して行います)をご紹介します。
グローバル標準でよく使われる概念としてRACI(レイシー)というステークホルダーマネジメントのツールがあるので、これを使って例えば、Kay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーマネジメントを行ってみましょう。
RはResponsible(実行に責任がある人)実務作業に責任がある人のことで、これは普通はプロジェクトメンバーです。複数のチームからなるプロジェクトチームであれば、それぞれのチームリーダーに相当するような人がResponsibleといえます。
AはAccountable(説明責任がある人)通常、説明責任を果たせる=Accountbleな人は1人にすべきと言われており、最終説明責任者です。複数の部署や会社にまたがるプロジェクトの場合はAccountableな人も複数名出てくる可能性もあります。
CはConsulted(相談や意見を求めるべき人)特定領域で専門家に意見を求める人をさし、例えば営業部のプロジェクトで、法務部などに何か法律面でのアドバイスを求めるようなシナリオです。
完全にプロジェクトチームメンバーだけの閉じた世界で完結すれば良いですが、大きいプロジェクトになればなるほど専門家の意見を聞くケースが増えます。場合によっては社外の専門家に聞くような可能性もあります。
IはInformed (情報共有をすべき人)を意味します。相談したり、実行したりはしないけど、何かあった時に報告、情報共有はしておかないといけない人達です。
Kay一家の旅行プロジェクトのステークホルダーは誰でしょうか?
家族は全員影響をうけるので、全員が対象です。
そして、パパママの会社の同僚、パパの実家、ママの実家の人々、子ども達の習い事も旅行中はお休みするため習い事の先生、そして旅行中は保育園もお休みですので保育園の先生方も対象に入りますね。
旅行のお土産を渡そうと思っている人が上記のステークホルダー以外にいるとしたら、その人も入れておくといいと思います。ここではパパの友達でハワイに旅行に行ったという△△にパパがお土産を渡すという想定にし、△△も入れましょう。
では、RACIに当てはめてみましょう。
パパとママが主な実行責任者ですので、Rはパパとママ、子どもも手伝えることがあれば戦力になるかもしれませんが、潜在能力は未知数ということで、?としておきました。
パパは最終説明責任者ということでA、その他事前に調整しないといけない人たちはC、今回の場合はほぼC=Iとなりました。
実務上もわりと同じで、ある時点では色々と相談しますが、プロジェクトの開始から、完了までを見るとある一時期を除いては、ただ情報共有をするだけの関係になることも多いです。
そして保育園やパパ友などは旅行後に、旅行土産を渡すだけですので、まさにIの関係です。
パパ | ママ | 子ども | パパ実家 | ママ実家 | パパ同僚 | ママ 同僚 | 保育園 | パパ友△△ | |
R(Responsible) | X | X | ? | ||||||
A(Accountable) | X | ||||||||
C(Consulted) | X | X | X | X | |||||
I(Informed) | X | X | X | X | X | X |
このように分けると、たんなる旅行計画も意外と色んな人に連絡したり、相談したりしないといけないことがわかってきました。
では次回はRACIにもとづいて、これらステークホルダーの巻き込み方を考えてみましょう。
PMP 受けるも更新も大変だが役に立つ
プロマネを長くやっていると、出て来る話題の1つ、グローバルな資格についてです。
プロマネは、特に国家資格というようなものがあったりするわけではないのですが、世界的にある程度標準モデルというのがあり、それらを理解していることは基本的に重要なことです。
プロマネ個々人でやり方やルールにばらつきがあると、全体を見た時に不具合が多いので、各企業毎にも標準化が進んでいますが、業界を超えて世界的に標準モデルがあるだろうというのが根底にあり、それを世界レベルでやっているのが、PMPという資格で、PMIという団体が運営しています。
うちの会社でもプロジェクトチームというのが世界各国におりますが、その数は数百名単位になります。もちろん会社特有のフレームワークというのもありますが、うちの会社でもPMPを1つのデファクト・スタンダードとして受け入れています。
去年、育休中にこの資格を取得しましたが、その際の奮闘記はまた次回の話とし、この資格の持つ意義を私なりに考えてみます。
PMPは、PMIの説明によると、
PMP® 試験は、PMI が策定した知識体系である PMBOK® (Project Management Body of Knowledge) ガイド に基づいて実施され、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。
専門知識を有していることを証明するために、米国PMI本部が資格認定を行うものであり、法的な資格、免許ではありません。
PMP® 資格は、プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。
となっており、PMBOKというプロジェクト標準を理解したことを証明する資格です。
世界的にみてまさにデファクト・スタンダード(事実上の標準モデル)になっていて、例えば、先日アナウンスされましたが、アメリカ政府がPMI(PMPの母体団体)をアメリカ政府の正式プロジェクトマネジメント団体として任命し、PMBOKに基づくプロジェクトマネジメントを行う法令が通りました。
President Barack Obama Signs the Program Management Improvement and Accountability Act
日本でも官公庁のプロジェクト入札の条件でPMP資格保有者がいること、などの条件があるところもあります。
PMPを持っていなくても仕事はもちろんできますが、持っていると公式にPMBOKの標準モデルを勉強し、理解できているというお墨付きをもらっていることになります。ここが一番の売りだと個人的には思います。
プロマネを生業にしていると、会社指定の標準モデルや、なんとなく昔からあったやり方を使ってやりますが、人によってばらつきもあり、また、本来やっておくべきチェックや、フレームワークが抜けてしまい、その結果漏れのあるプロジェクト計画ができてしまう恐れがあり、世界標準を一度きっちり勉強するというのは、自分のベースを強化するという意味で重要だと思います。
ただし!
うちの会社でもそうですが、それが仕事の給与アップになるかというとならず、また、受験料が550USDくらいで、日本円では6万円超え(!)し、うちの会社ではサポート制度もなく、私は実費で受験しました。
4500時間以上の実務経験、36ヶ月以上のPM経験、そして、今までのプロジェクトの略歴を英語でPMIに送って、さらに上司の承認まで必要で、おまけに、受験するにも研修を受けなくてはならず、大体実務での知識経験意外に、追加で100時間〜2、300時間の追加時間をかけて準備しなくてはいけません。
しかも試験は4時間の長時間、1発勝負。
合格率は60%くらいなのですが、こんだけ高いハードルを満たした人が受けて60%なので、実際は意外と難しいです。模試で90%超えてないと受からないと言われてます。
周りでPMP受けて落ちたという人は聞かないのですが、それは当然で、
実務経験があるベテランPMが、さらに業務とは別に追加の時間をかけて勉強し、仕事を半日以上休んで、少なくとも上司には承認とらないといけないし周りにも公言することになるし、なにせ6万円かけて一発勝負なんで、一か八かのような受験は避けて、絶対受かるというところまで仕上げてから受けるからだと思います。
ちなみに、試験自体は自分で決めた日に受けることができますので、合格が厳しいと思えば先延ばしにすることもある程度は可能です。
私もこの資格は知っていましたが、この価格と労力の割に社内評価が低い、という点において長らく躊躇していましたが、一昨年下の子が生まれたのをきっかけに受けることにし、無事合格しました。
今はPMPホルダーです。
合格後、仰々しい↓資格証明書が送られてきました。(が、会社では特に評価も変わらないし、部署内では資格を知らない人も多いので、飾ってません。。)
が、この資格3年毎に更新し、3年以内にPMIが認定したトレーニング60時間相当を受けないといけないのです。受けるのも大変、維持するのも大変、しかも更新にもお金がかかる・・更新を諦める人も相当するいます。
受かって約一年が経ちましたが、特に周りの評価はこれによって変わらないものの、個人としては一段知識として上に行けた気がしています。PMBOKの標準モデルにそって仕事をしたり、困ったときにPMBOKガイドブックを読んでみたりということがありました。転職するときも、PMPホルダーであるのは、少なくともマイナスにはならないと思いますので、一応良かったと思っています。
あと、いくつになっても勉強し、成長できるんだという自信につながります。PMPを受ける人は数年の実務経験が必要なため、早くて20代後半、多くは30代、40代と思います。
多くの3、40代は資格取得勉強やプロマネ勉強を実務経験を積み上げる最初にやるので、積み上げた後はこういう仕事時間以外での努力をあまりしなくなる傾向があるように思うので、たまにはいいんじゃないでしょうか。
私も20代は会社が課す課題や業界の資格取得などを頑張っていましたが、30代になり子育ても入り、資格は一切とっていませんでしたし、仕事意外で勉強って何年もしていませんでした。
この資格をとるにあたり、久しぶりに受験勉強をしてみて、ここまで努力できるんだという自信につながりました。
では、次回は資格を取ったときの奮闘記をしたいと思います!
社会人歴に産休育休は入れたくないが引くわけにもいかない
4月が近づき、昔の会社の同期と同期会をする話が持ち上がり、ちょっと楽しみなKayです。
この時期になると、否応なしに自分が社会人何年目なのか、とカウントすることになり唖然とします。学生時代にインターンをしたのですが、その時にお世話になったのがちょうど社会人10年目の人で、その時は雲の上の人のような気がしました。
でも、今の自分も社会人10年を既に超えて、中堅の域に突入。。
時がすぎるのは早い・・
英語ではTime Flies(時間が飛ぶ)って言うのですが、まさに時間が羽をつけてパタパタ飛んで行ってしまってる感じ。特に子どもが生まれてからの数年は半端なく早い。
仕事と家庭とめちゃくちゃ忙しく、どちらも中途半端。仕事は昔のように夜中まで働くとかできないし、かと言って楽な仕事をしてるわけではなく、仕事量はむしろ増え続ける一方で、毎日切羽詰まる感じで必死に仕事してます。
この数年の手柄といえば、手抜きがうまくなった?人に投げるのがうまくなった?どうやって仕事量は変わらないのに、定時で帰るようになったんだけ。。要らない仕事をしなくなった? ホワイトカラーの生産性をあげるって良く言うけど、そんな生産性劇的に上がってるのか。。。?
ふと振り返ると「年食ってるだけじゃね?最近何かをちゃんと積み上げてるんだっけ?」みたいな時があって焦ることも多いです。
特に、ここ数年は産休、育休などで、実質空白の期間があるにもかかわらず、社会人になってからのカウント、要は大学卒業してから何年っていうカウントが普通なので、私は水増しされた社会人歴を背負っている気分です。
また今年の4月でもう一年、社会人として歳を重ねてしまいますが、2人分の産休育休あったし、ぶっちゃけ、マイナス3したい。
ただ、産休育休前後のキャリアが無駄なのかと言われるとそういうわけでもなく、それも含めて自分なので、社会人何年目?という話が出たら、大学卒業時点からカウントした年数を言って、言い訳を言える間柄の人には「でも間に2回産休・育休とってるから2年くらいはブランクありますけどね」と言ってます。
大学卒業してからの年数とキャリア年数が=にならなくなってきて、ここからは自分の努力の域だなーとヒシヒシと感じます。
ステコミって何?
先日ワーキンググループという話がありましたので、続いてステコミについてお話しましょう。
ステコミというのはステアリング・コミッティーの略で、英語ではSteering Commiteeと書きます。Steerというのは、舵を切るという意味で、強い力をもってぐいぐい方向を定めていく印象のある言葉です。Steerできる人が集まるCommitee、日本語でいうと、、適切な言葉がないようで日本企業と話をする時も「ステコミ」と呼んでます。
基本的にはかなり上層部の人を中心とした会議で、例えばある企業の営業システムの入れ替えプロジェクトであれば、営業部の部長、役員クラスと関係部署の部長、役員クラスが出て来るはずです。
ステコミの重要な役割は、企業のマネジメントまで話を通さないといけないことをEsclationすること、日本語で言うと上にあげる、ってことですね。そして、もう一つ決断をすることです。
適切な日本語表現がないのがちょっとおもしろいなと思うのですが、ステコミの重要なポイントは各ビジネスラインから決断できる人が集まらないといけないということで、私がいる外資系は決断できる人というのがかなり明確で、むしろ決断できないのに上層部にいる人は居ないのが普通です。
ところが、日系企業だとそうでもなく、以前私も日経企業と仕事をしたことがあるのですが、まずびっくりしたのが、会議に出てくる人数の多さ。
会議ではこちらは3人なのに、日系企業は10人以上も来て、しかもその場では何も決まらない、というような事がよくありました。
よく言われるように日系企業は外資に比べると決定権がどこにあるのか見えにくく、その結果ステコミに相当する会議を形成しにくいのではと思います。
アリババでも、私のちょうど考えているような事が書いてありました。
そうなんですよね~。。この意思決定スピードは、意思決定できる人がはっきりしてるからできるんだと思います。
日系企業が何人も会議に出てくるのに、決断がすぐできないというのは、和を大事にするということ以上に、決定権を持っている人が不明確というのが原因なのではと思います。このあたりは以前紹介したステークホルダーのところでRACIリストの話でも言いましたが、Resopnsibleな人はいるけど、Accountableな人が複数発生してしまっているか、居ない状態なのではと感じます。
そんなときは、RACIを使って、日系企業でも決断をする人(Accountable)な人をはっきりさせ、その人に決断を促す、相談は必要だけど、最後は決断を一人でしてもらうのも一つの手です。
こういうと、外資のステコミってすごそうなイメージですか?
ハイ。実際、かなり壮絶なんです。。事前準備が大変で、上層部が出てくるので下手なこと言えないし、分析が足りてないとすごい突っ込みを受けますし、準備不足だと公開処刑状態になることもあります。会議が終わった後は、いつもゲッソリ。。
日本企業のように根回しがそこまでないですし、予定調和は基本的にないので、かなり緊張します・・
1時間からせいぜい1時間半でおよそ決断に必要な情報やリスク、問題点などを伝えてその場か、遅くても数週間で決断にいたるようにアクションアイテムに落とし込みます。
外資系での根回しは少ないとはいえ、Esclationの場でもあるので、自分のレポートライン上のはるか上の上司に事前の情報共有せねばならず、事前からかなり厳しい指摘が入るので、ステコミの前1〜2週間はピリピリモードです。
とはいえ、ステコミは内部のミーティングがメインなので、そこまで時間を割きすぎるのもどうかと思うのですが、同時に役員クラスの人がひと目で分かるような資料を用意しうようとすると時間がいかんせんかかり、ステコミ前は根回し、ワーキンググループでの合意形成など同時並行で行うことが増え、負担感半端ないです。
頻度は(個人的には)月一くらいが適当で、重要な局面では2週間毎などにすることもありますが、やはり前述の通り準備もそれ相当の時間を要するので、結構ステコミの準備だけで多くの時間をさくことになりがちで、肝心のプロジェクトに関するタスクが滞るリスクがあります。
また、外資特有かもしれませんが、複数の拠点から上層部の人が参加するため、ビデオカンファレンスをする場合もありますが、多くの場合は電話会議です。
外資金融では一般的ですが、こういう電話会議用のツールを使い、会議室から参加したり、自分専用のオフィスを持っている役員は自分のオフィスから入ったりします。
実は、来週はステコミが控えているので、今から胃が痛いですが、頑張ります(汗)